小規模事業者持続化 補助金 を受けたい!対象者は?申請はどうやる?

こんにちは、行政書士の寺田裕希です。本日は小規模事業者持続化 補助金 についてお話したいと思います。

もう第9回の受付締め切り日が2022年9月12日に迫っています。「今更かよ!」と言われそうですが、第10回、第11回も決定していますのでご容赦ください・・・

小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化 補助金 とは?

まず小規模事業者持続化補助金とは商工会議所からでている補助金です。事務局のほうには電話がつながりにくい状況だそうで、大変たくさんの方が興味を持っていることがうかがえます。

この補助金の目的は小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するためのものです。

また商工会議所に未加入でも補助金は受けられます

ただし、小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業ですので、社外の代理人のみで、地域の商工会・商工会議所へ相談を行うことや「事業支援計画書(様式4)」の交付依頼等を行うことはできません。

自社の事なので書類作成等を依頼こそすれ、すべて丸投げってわけにはいきません。

補助率・補助上限額

 通常枠賃金引き上げ枠卒業枠後継者支援枠創業枠インボイス枠
補助率 2/3

2/3

(赤字事業者3/4)

 2/3
補助上限50万円200万100万
追加申請要件-別途ご説明

通常枠

小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援。

特別枠

特別枠を利用すれば、補助上限額が最大200万円まで、また事業者様によっては3/4まで補助率がUPします。通常枠を考える前に、経営状況を確認し、どれに当たるかを検討したほうがいいでしょう。

特に賃金引上げ枠、インボイス枠に関しては比較的検討しやすいのではないかなと思います。

賃金引上げ枠

販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者
赤字事業者は、補助率 3/4に引上げるとともに加点(による優先採択)を実施

要件
  • 補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上であること。ただし、この要件を満たさない場合は、補助金の交付は行いません。
  • すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は現在支給している※1事業場内最低賃金より+30円以上とする必要があります。

※1:申請時点において直近1か月で支給している賃金のことをいいます。

赤字事業者

「賃金引上げ枠」に取り組む事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下である事業者。 課税所得金額については以下のことを指します。

<法人の場合>
直近1期分の法人税申告書の別表一・別表四の「所得金額又は欠損金額」欄の金額。

<個人事業主の場合>
直近1年間の「所得税および復興特別所得税」の「確定申告書」第一表の「課税される所得金額」欄の金額。

卒業枠

販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者

要件

補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること。ただし、この要件を満たさない場合は、補助金の交付は行いません。

後継者支援枠

販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストに選ばれた小規模事業者

要件

申請時において、「アトツギ甲子園(※)」のファイナリストになった事業者であること。

※アトツギ甲子園について

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2021/211129shoukei.html

創業枠

産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者

要件

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ過去3か年の間に開業した事業者であること。

インボイス枠

免税事業者であった事業者が、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む小規模事業者

またインボイス対応を見据えてデジタル化をする場合IT補助金の利用も可能です。

要件

2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者であること。ただし、補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合は、補助金の交付は行いません。
※インボイス制度については国税庁特設サイトを参照ください。

補助金 対象者

下記に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象です。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 5人以下
宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数 20人以下

従業員の数ですので役員やパートさん、個人事業主様本人は数に含まれません。

また以下の要件を全て満たすことが補助を受けるための条件となります。

  1. 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
  2. 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  3. 本補助金の受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていないこと(詳細はこちらのP.3

補助金 の対象となる経費は?

ここが一番気になるのではないかと思います。

例えば以下のような経費が補助金の対象です。

補助対象経費科目活用事例
機械装置等費補助事業の遂行に必要な製造装置の購入
広報費新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置
ウェブサイト関連費ウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修、運用に係る経費
④展示会等出展費展示会・商談会の出展料等
⑤旅費販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
⑥開発費新商品の試作品開発等に伴う経費
⑦資料購入費補助事業に関連する資料・図書等
⑧雑役務費補助事業のために臨時的に雇用したアルバイト・派遣社員費用
借料機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
⑩設備処分費新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
委託・外注費店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼(契約必須)

上記を見てもらえれば結構いろいろなところに使えるな、ということがわかるかと思います。

(注意)
  • ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4を上限とします。またウェブサイト関連費のみによる申請はできません
  • 設備処分費は、補助対象経費総額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助対象経費の総額の1/2を上限とします。
  • 汎用性が高く目的外使用になりえるもの(車・オートバイ・自転車・文房具等・パソコン等)補助対象外となります。
  • 経費の支払いは「銀行振込」となります。特に10万円を超える支払い(一括、分割問わず)については、現金支払いの場合、補助対象外となります。
  •  相殺や小切手、商品券等による支払いは、補助対象外となります。
  • クレジットカード払い等で、口座から引き落とされた日が、補助事業実施期限を過ぎている支払いについては、補助対象外となりますので、ご注意ください。
  • 100万円(税込)を超える支払いは、2社以上の見積もりが必要です。中古品の購入(50万円(税抜き)未満のものであること)については、金額に関わらず、すべて、2社以上からの見積が必須となります。
  • オークションによる購入は補助対象外となります。

申請の流れ

申請は以下のように進んでいきます。

申請書類等の準備
申請書や経営計画書を準備します。書類に不備があれば補助金はおりませんので時間に余裕をもって作成をしましょう。
提出する資料・様式集はこちらから確認してみてください。
申請手続き
電子申請か郵送で書類の提出をします。(持参不可)
電子申請はJグランツを利用します。他の補助金もこのJグランツを利用して申請することが多くなってきているのですが、IDの取得に数週間かかってしまうので事前に取得しておくことをお勧めします。
審査
審査期間は2か月ほどです。
審査され評価の高い順番に採択をされます。
(審査のポイント、また評価には加点要素についてはこちらのP.10
採択・交付決定
審査終了後、採択案件を補助金事務局ホームページに公表の上、採択の結果を通知されます。
採択決定者については、応募時に提出した「補助金交付申請書」を補助金事務局で確認し、不備等がなければ、「交付決定通知書」が通知されます。
補助事業の実施
交付通知書をもらった後から補助事業実施期間の間に、発注、支払いを行います。
定められた補助事業実施期間までの間に申請した事業(広告を出したり)を発注して支払いまで終わらせます。
第10回、第11回はまだ実施期間は決まっていません。(R4.9/8時点)
交付通知書を貰う前に支払った経費は対象外のため注意しましょう。
実績報告書の提出
補助事業終了後、その日から起算して30日を経過した日
またはは最終提出期限のいずれか早い日(必着)までに
補助事業の実施内容と経費内容(支出内容)を取りまとめて郵送します
確定検査・補助金の確定
ここでやっと補助金が確定します。
契約書や領収書等を確認します。証拠書類がなけれがその分の補助金はおりません。
また不備があるのに解消できない場合も補助金が下りない場合があります。
補助金の請求
証拠書類等不備なく補助金が確定すれば補助金確定通知書」が送付されます。金額を確認して、精算払請求を補助金事務局に行います。
入金
請求から振込まで数週間程度かかります。
事業効果の報告
補助事業の完了から1年後に「事業効果および賃金引上げ等状況報告」を文書等で提出する必要があります。

締め切りから審査まで1~2か月程度、交付決定から半年くらい、振込まで数週間

約1年ほどかかります。さらにその1年後には事業報告をする必要があります。

まとめ

要件等は間違えのないよう、小規模事業者持続化補助金のHPから抜粋をさせていただきました。

提出書類の準備さえきちんとできれば、補助対象となる経費は多いため、がんばってみる価値はあります。

JグランツのIDの申請にも時間がかかりますし、受付締切までに書類の作成をしないといけないため、スケジュール立てが非常に重要です。

当事務所では補助金サポートも行っております。

補助金申請の内容に関すること、導入設備に関することなど、ご不安なことがありましたら行政書士寺田裕希事務所までお気軽にお問い合わせください。

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