深夜における酒類提供飲食店営業開始 届出 何を準備したらいい?|飲食店の開業をお考えの方は

飲食店営業許可をとってもお酒を出す時間帯によっては別途 届出 が必要となることがあります。

今回は酒類提供飲食店営業開始届出についてお話ししたいと思います。

香川県警のHPに申請書類等の様式があります。あわせてご覧ください。

https://www.pref.kagawa.lg.jp/police/seikatuanzen/tetuzuki/fuzoku.html

深夜酒類提供飲食店 届出 バーの写真

深夜における酒類提供飲食店営業開始 届出 とは?

簡単に言うとお酒を提供している飲食店が深夜0時から日の出までの時間の間にお客さんにお酒を提供する場合に必要な届出です。

 

届出 が必要な「深夜酒類提供飲食店」とは

分かりやすいところでいうとバーですが

飲食店によっては0時を過ぎていても深夜酒類提供飲食店開始届出をしなくてもいいお店もあります。

ここら辺が少しややこしいので、「深夜酒類提供飲食店」の言葉をバラバラにしてそれぞれ何を意味するのかを解説します。

酒類提供飲食店とは?

バーのようなお酒メインで提供をしている飲食店がわかりやすいですが、居酒屋なども含まれます。

営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除きます。

「通常主食と認められる食事を提供して営むものを除きます。」とは?

お酒を提供していても酒類提供飲食店には含まれない飲食店もあります。

それは営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供している飲食店です。

簡単に言うと、牛丼やうどん、ピザ、お好み焼きなど常にご飯ものや麺類を主なメニューとして提供している飲食店はお酒を提供していても酒類提供飲食店にあたらない、ということです。

居酒屋でも丼やお茶漬けなどのご飯ものや麺類、うどんなどを提供していますが、こちらはお酒の提供がメインと考えられるため酒類提供飲食店にあたります。

「営業の常態として」とは?

(2)「営業の常態として」の解釈については、次の点に注意すること。
ア.営業時間中客に常に主食を提供している店であることを要し、例えば、1週間のうち平日のみ主食を提供する店、1日のうち昼間のみ主食を提供している店等は、これに当たらない。
イ.客が飲食している時間のうち大部分の時間は主食を提供していることを要し、例えば、大半の時間は酒を飲ませているが、最後に茶漬を提供するような場合は、これに当たらない。
ウ.「通常主食と認められる食事」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く。)、めん類、ピザパイ、お好み焼き等がこれに当たる。
同解釈運用基準についてより

簡単に言うと営業時間中は常にご飯を出していますし、ご飯を出すことが営業のメインということです。

酒類とは?

アルコール分1度以上の飲料のことを指します。この届出においてお酒の種類や量は関係ありません。

あくまで酒類(アルコール分1度以上の飲料)を提供するかしないか?で判断されます。

深夜とは?

深夜0時から日の出までの時間を指します。

届出 が必要な店舗 まとめ

これまでの事をまとめると届出が必要となる「深夜酒類提供飲食店」とは

お酒をメインに提供をしている飲食店のうち深夜0時以降にも営業をしている飲食店ということになります。

逆に、牛丼やうどんなど通常はご飯もの、麺類等を主に提供する飲食店がお酒を提供していても酒類提供飲食店にはあたりませんので、深夜0時以降にお酒を出すことに関しても規制はうけません。

0時以降お酒を提供する場合、届出が必要な飲食店の例
居酒屋バー
焼き鳥屋大衆酒場
0時以降お酒を提供する場合、届出がいらない飲食店の例
ラーメン屋お好み焼き屋
蕎麦屋レストラン

届出 に必要な書類

深夜酒類提供飲食店開始届出は一般的な飲食店営業許可申請と比べより詳細な図面等の書類を求められます。以下の書類だけでなく各都道府県ごとの公安委員会によって求められる書類もあります。

・深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書
・営業の方法
・定款および登記事項証明書
・飲食店営業許可
・住民票(本籍地が記載されているもの)
・図面(店舗の平面図・営業所求積図・照明・音響設備など)

深夜酒類提供飲食店開始届出の流れ

 

要件の確認
用途地域の制限に引っかからないか、施設基準は満たしているか、などを確認します
店舗の測量・書類作成
図面作成のため測量を行い、各種届出書類の作成を行います。
飲食店営業許可申請
初めてお店をする場合は飲食店営業許可申請も必要なため書類を準備し保健所に申請をします。
深夜酒類提供飲食店開始届出の提出
管轄の警察署に提出し、各都道府県の公安委員会に届出をします。
届出から10日後から深夜酒類提供飲食店として営業が可能です。

深夜酒類提供飲食店と風俗営業の違い

深夜酒類提供飲食店と風俗営業は異なります。

例えば風俗営業(2号営業)スナックやパブなど

お酒を出してる夜のお店!というイメージですが基本的に深夜0時までしか営業できません。

深夜酒類提供飲食店は深夜0時~日の出までお酒を出すことができ、営業時間に関しても特に制限はありません。

主な違いとしては「接待」があるかどうかです。

じゃあ深夜0時までは接待のあるスナックとして風俗営業、深夜0時以降はバーとして深夜酒類提供飲食店として営業する!ということもNGです。

同一の店舗では深夜酒類提供飲食店か風俗営業か、どちらかを選ばなくてはいけません。

深夜酒類提供飲食店を営業するにあたっての注意点

営業の業態によっては深夜酒類提供飲食店の届出ではなく風俗営業許可をとらなくてはいけなかったり、そもそも深夜営業が不可の地域もあります。物件を決めたのに深夜営業できない、とならないよう事前に確認をしておきましょう。

用途地域の制限

「用途地域」として、土地は用途や使用目的によって区別されていて、ここの地域はこんな種類のお店ならだせるよ、という感じで制限がかかっています。

香川県では、第1種区域では深夜酒類提供飲食店は営業が禁止されています。第1種区域とは第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域、またそれに準ずる地域・・・とのことですが簡単に言うと住宅地での営業は禁止です。

物件決めたけど深夜営業できない地域だ・・・とならないように物件を決める前に用途地域がなんなのか確認しておきましょう。

客室の大きさ

客室の床面積は、一室の床面積を9.5㎡以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。

深夜営業を考えられている場合、施工段階で客席の大きさには注意しましょう。

営業にあたっての注意事項

従業者名簿の備付けが必要で、退職したとしても3年間は保存しておかなくてはいけません。

内容としては

・従業者の氏名

・住所

・生年月日

・採用の年月日

・業務内容

・退職年月日

などです。

それに加え住民票も保管しておく必要があります。

また22時以降は

・18歳未満の者を接客業務につかせる

・18歳未満の者を客としてお店に入れる(保護者同伴はOK)

などの制限もあります。

接待があるかないか

深夜酒類提供飲食店と風俗営業の違いでも簡単に書きましたが「接待」中心の業態の場合は風俗営業とみなされる可能性があるため、この場合は風俗営業許可が必要となります。

それなら「バーのマスターがカウンター越しにお客様とお話しするのはダメなのか?」というとそういうわけではありません。あくまで飲食の提供中心であれば問題ありません。

ただカウンターでお酒を作ってくれて少しお話をするだけでなく、実際は一緒にゲームやカラオケをしたり、指名してお話したりするお店の場合は風俗営業許可が必要になります。

深夜酒類提供飲食店開始届出を出して深夜にお酒を出しているバーです、といっても上記のように業態が風俗営業とみなされた場合風営法上の無許可経営となる可能性もありますので注意をしてください。

「遊興」させるかどうか

「遊興」とは営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせる行為を指します。

具体的にはステージ等を作ってライブを行う、ダンスホールでダンスをさせる等

お酒を提供するお店で上記のような遊興をさせる店舗は風営法上、「特定遊興飲食店営業」の許可が必要になります。

この場合施設の基準も異なり、例えば

客室の床面積は、1室の床面積を33平方メートル以上とすること。

といったように客室の大きさが異なってきます。

まとめ

バーや居酒屋などの「お酒の提供が中心の飲食店」が0時以降にもお酒の提供をして営業をしたい場合の届出についてご説明いたしました。

言葉の意味や基準について少しわかりづらいところがあったかと思うのですが

・提供の中心がご飯、麺類などのお店が0時以降もお酒を出す場合は届出はいらない

・施設基準がある

・住宅地ではできない

・風俗営業の場合は風速営業許可が必要

・飲食店営業許可申請は保健所 深夜酒類提供飲食店の届出は警察署

くらいの内容で覚えていただければ問題ありません。

ご自分の店舗で深夜以降もお酒を出したいけど基準に合うのか?

新しくお店を出したいけどこの地域で深夜営業はできるのか?

とご不安な方がいらっしゃいましたら行政書士寺田裕希事務所までお気軽にお問い合わせください。

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