お役立ち情報Blog

ブログ|

相続情報

相続手続きに必要な書類と準備のポイント

— まず「相続人」と「財産」を証明するところから —

相続手続きでは、「誰が相続人か(人)」と「何を相続するか(財産)」を書類で証明することが出発点です。
ここが整うと、銀行・証券・法務局・保険会社の手続きが一気に進みます。
本稿では、はじめに全体の書類セットを示し、その後に集め方のコツ落とし穴をやさしく解説します。

相続手続きに必要な主な書類(まず全体像)

相続手続きを開始するにあたり「これさえ押さえればまずはOK」という基本セットを示します。
※各機関の指定は異なりますが、下記が共通の土台です。


戸籍関係(相続人の証明)




  • 被相続人(亡くなった方)の戸籍:出生〜死亡まで連続(改製原戸籍・除籍を含む)




  • 相続人全員の現在戸籍




  • 補助:法定相続情報一覧図(法務局認証/戸籍束の要約として使える)




相続人の同意(分け方の証明)




  • 遺言書(ある場合は原則こちらが優先)




  • 遺産分割協議書(全員の署名・押印)




  • 印鑑証明書(相続人全員分/金融機関は3か月以内を求めることが多い)




  • 委任状(代表者が手続きする場合)




財産の証明(対象の確認)




  • 預貯金:通帳、残高証明、相続届(銀行所定)




  • 有価証券:取引報告書、残高証明(ネット証券はログイン情報の控えが役立ちます)




  • 不動産:登記事項証明書、固定資産税課税明細(登記申請は司法書士の業務)




  • 生命保険・年金:保険金は受取人固有のもの/遺族年金も相続外(ただし請求期限に注意)




 


**ここで一息。**書類の型は整いました。
相続に関するご相談(書類の初期確認のみ可):
https://t-yukioffice.com/sozoku/


よくある誤解:「代表者が銀行に行けば解約できるのでは?」
→ 基本は相続人全員の同意(署名・押印)と相続届が必要です。金融機関によっては〇円以下であれば代表相続人のみで相続手続きが可能なところもありますが基本相続人全員分の署名・押印・印鑑登録証明書が必要だと思ってください。



注意:戸籍は出生から死亡まで連続が絶対条件。1通でも欠けると手続が止まります。


また兄弟姉妹の戸籍は広域交付では取れません。兄弟姉妹に取ってもらうか相続の利害関係人であると証明して代表相続人がとるか、さらに市外に戸籍がある場合は郵送で集める必要が出てきます。


相続で最初に準備する戸籍一式・遺産分割協議書・法定相続情報一覧図・財産資料をまとめた図

戸籍収集と相続人確定のコツ(ここが土台)

相続人を間違えると、協議書の作り直しや登記のやり直しが必要になります。最初に正確に進めましょう。


収集範囲の基本




  • 被相続人の出生〜死亡までの連続戸籍:改製原戸籍・除籍を含め、つながりを切らさない




  • 相続人全員の現在戸籍:婚姻・離婚・認知・養子の記載を確認




  • 代襲相続(孫・甥姪)や前婚の子の有無の確認




見落としやすいポイント




  • 前婚の子:同居していなくても相続人です。連絡を取る必要がありますのでお電話やお手紙を送ることができるルートを確保しましょう。




  • 再代襲(孫→ひ孫):相続人が多くなる場合や複雑になる場合は法定相続情報一覧図の作成がおすすめです。




  • 行方不明の相続人:戸籍から住所を負うこともできますが、必要に応じて家庭裁判所の手続きへ




**ここがつまずきやすい所です。**戸籍の連続が揃わない方は、早めに一度だけ棚卸しを。
戸籍収集と一覧図作成のご相談(短時間プランあり):
https://t-yukioffice.com/sozoku/


よくある誤解:「同居してないから相続人ではない」
→ 相続人は戸籍で決まるため、同居の有無は関係ありません。
注意:本籍地が変わるたび戸籍は各市役所ごとに分かれます。広域交付で取れなかった分の取り寄せ漏れに要注意。


祖父から長男を飛ばして孫が相続する代襲相続の関係図

財産別に必要な書類と取得のポイント(銀行・証券・不動産・保険)

手続き先ごとに要求様式が異なります。項目別に整理します。


預貯金・証券(銀行・証券会社)




  • 相続届(各社様式)、戸籍一式 or 法定相続情報一覧図、協議書または遺言(必要と言われた場合)、相続人全員分の印鑑証明書、本人確認書類




  • ネット証券・ネット銀行は郵送手続き中心。IDや登録メールの確認が役立ちます。




  • 残高証明は準確定申告・相続税評価にも利用します。




不動産の相続登記(法務局)




  • 登記事項証明書、遺産分割協議書(または遺言)、戸籍一式 or 一覧図、固定資産評価証明書 等




  • 相続登記は原則義務化。当事務所でも相続登記に強い司法書士と提携をしているためワンストップで対応可能です。




  • 境界・共有持分・古い地目など、事前確認で手戻りを減らします。




生命保険・年金(相続の対象外の扱いに注意)




  • 生命保険金:受取人固有の財産(相続と切り離して請求)。不明な場合は保険会社照会を。




  • 遺族年金:相続財産ではありません。年金事務所や共済へ別途手続きします。




  • 請求期限(保険金2〜3年など)と必要書類(保険証券・受取人口座・身分証)を早めに確認。




**誤解しやすい点です。**保険金は“遺産”ではなく受取人のもの。ここで混同が起きやすいです。


注意:銀行の相続届は全員の署名が前提。代表者のみでは原則不可。




4. 事前準備チェックリストと「よくある落とし穴」


事前準備チェック




  • ☐ 被相続人の戸籍(出生〜死亡)が連続して集まった




  • ☐ 相続人全員の現在戸籍を取得(前婚の子・認知・養子の確認)




  • ☐ 法務局にて法定相続情報一覧図の作成準備完了




  • ☐ 主要資産の資料(通帳、残高証明、登記事項証明、取引報告書)を確保




  • ☐ 遺言書の有無を確認(公正証書・自筆・保管制度)




  • ☐ 連絡が取りにくい相続人への連絡方法を確保




  • ☐ 遺産分割協議書の雛形・押印の段取り完了




家族構成で変わる必要書類(3ケース)




  • 単身(相続人=きょうだい)
    戸籍:被相続人出生〜死亡、兄弟姉妹の現在戸籍、甥姪への代襲の有無を確認。
    書類:遺産分割協議書・印鑑証明。人数が多いと押印回収が時間要。




  • 既婚・子あり
    戸籍:配偶者・子の現在戸籍、前婚の子も忘れずに。
    書類:遺産分割協議書・印鑑証明・一覧図。連絡と意思確認を早めに。




  • きょうだいのみ(親が先に死亡)
    戸籍:異母・異父兄弟の有無を確認。
    書類:遺産分割協議書・印鑑証明。相続人の数が多くなることがあるため漏れの内容に確認。




**最後に。**ここまで整っていれば十分前へ進めます。残りは各機関の様式に合わせて書類を提出していきます。

相続の無料相談・お見積もり:
https://t-yukioffice.com/contact/


法定相続情報一覧図を使うメリットをまとめた図。戸籍束の提出回数削減、金融機関や登記での手続き短縮、原本返却の手間軽減を示す

まとめ

書類準備のコツは、最初に全体を整えること。
「戸籍で相続人を証明」「協議書や遺言で分け方を証明」「通帳や残高証明、登記簿等で財産を証明」——
この3本柱がそろえば、各手続きは止まりません。
一つでも不安があれば専門家にご相談ください。


相続に関する情報・手続きの入口:
https://t-yukioffice.com/sozoku/
個別相談・お問い合わせ:
https://t-yukioffice.com/contact/


スクロールボタン